
サブスクで聴ける時代に、なぜCDを作るのか?
- Oshin

- 5月12日
- 読了時間: 5分
サブスクで聴ける時代に、なぜCDを作るのか?
今、音楽は本当に便利になった。
スマホを開いて、曲名やアーティスト名を検索すれば、すぐに音楽が流れる。
新曲も、昔の曲も、知らなかったアーティストの曲も、世界中の音楽に一瞬でアクセスできる。
これは本当にすごいことだと思う。
僕自身もサブスクの便利さにはかなり助けられているし、否定するつもりはまったくない。
むしろ、音楽を広く届けるという意味では、今の時代に欠かせないものだと思っている。
でも、その便利さの中で、
僕たちは本当に音楽を“持っている”のだろうか。
サブスクには、大きな弱点もある。
それは、
昨日まで聴けていた曲が、今日も聴けるとは限らない
ということだ。
配信停止。
契約終了。
権利関係。
レーベルや事務所の都合。
いわゆる“大人の事情”。
リスナーからすれば理由ははっきり見えないまま、ある日突然、好きだった曲がプレイリストから消えていることがある。
昔よく聴いていた曲。
人生のどこかの時期を支えてくれた曲。
友達と一緒に聴いた曲。
恋愛や別れや挑戦のそばにあった曲。
そういう、自分の人生の一部みたいになっていた音楽が、
ある日突然、何の前触れもなく聴けなくなることがある。
サブスクで聴いている音楽は、感覚としては自分のもののように思える。
でも厳密には、“持っている”わけではない。
そのサービス上で、今その瞬間に、聴ける状態にあるだけ。
ここに、サブスクの便利さと怖さが同時にあると思う。
もちろん、CDにも不便さはある。
場所を取る。
持ち運びにくい。
再生するにはプレイヤーが必要。
スマホで検索してすぐ聴けるサブスクと比べれば、明らかに手間もある。
でも、その不便さの代わりに、CDには“手元に残る”という強さがある。
配信が止まっても、
アプリが変わっても、
サービスの仕様が変わっても、
契約が終わっても、
そのCDが手元にあれば、その音楽はそこに残り続ける。
これは、ただ音源が残るという話だけではない。
ジャケット。
盤面。
歌詞カード。
ケースの手触り。
ライブ会場で受け取った記憶。
アーティスト本人から手渡された瞬間。
そこに書かれたサインやメッセージ。
そういうもの全部が、その音楽の一部になっていく。
僕自身少年の頃、どうしても欲しいCDがあった。
今みたいにスマホで検索すれば
すぐ聴ける時代ではなく、
そのCDを手に入れるために、
毎朝眠い目をこすりながら新聞配達をして、
その給料でようやく買ったCDがある。
今でもそのCDを見ると、
音楽そのものだけじゃなく、
朝の空気とか、
新聞のインクの匂いとか、
眠いまま自転車を漕いだ時間とか、
やっと買えた時の嬉しさまで一緒に思い出す。
そのCDには、曲だけじゃなく、
その頃の自分まで残っている。
だから僕にとってCDは、
ただ音を再生するためのものではない。
その時代や、その日の空気や、
その人との出会い、
そして自分がその音楽にたどり着くまでの時間まで、
一緒に残してくれるものだと思っている。
僕がSOUND FEEL'd XでCDリリースにこだわっているのも、そこに理由がある。
今の時代、音源を配信するだけなら、いくらでもできる。
それ自体はとても大事だし、たくさんの人に届く可能性もある。
でも、ライブの日に生まれた熱量や、
その日に聴いた歌や、
その日に会った人や、
その場でしか感じられなかった空気は、
データだけでは残しきれないものがある。
だから、CDという形にする。
その日、会場に来てくれた人が持ち帰れるもの。
後から見返した時に、その日のことを思い出せるもの。
アーティストにとっても、リスナーにとっても、ひとつの記録になるもの。
それがCDの価値だと思っている。
サブスクは、音楽を遠くまで届けてくれる。
CDは、音楽をその人の手元に深く残してくれる。
どちらが上とか、どちらが古いとかではない。
役割が違う。
広く届けるためのサブスク。
深く残すためのCD。
音楽がどんどん便利に、軽く、速く届く時代だからこそ、
あえて“形に残す”ことには意味がある。
配信から消えることがある時代に、
手元に残る音楽を作る。
それは、時代に逆行しているようで、
実はこれからもっと大切になっていくことなのかもしれない。
いつか配信サービスの画面から消えても、
棚の中に、ケースの中に、誰かの部屋の片隅に、
その日の音楽が残っている。
そういう残り方をする音楽を、僕はこれからも作っていきたい。
そして、この想いを実際に形にしているのが、
僕たちが開催している「SOUND FEEL'd X」です。
SOUND FEEL'd Xは、出演アーティスト全員が新曲を制作し、
その楽曲をCDとしてリリースするイベントです。
ただライブをするだけではなく、
その日に生まれた音楽を、
その日来てくれた人の手元に残す。
配信で遠くまで届けることも大切にしながら、
会場で受け取れる“形ある音楽”も大切にしたい。
そんな想いで続けているイベントです。
直近の開催はこちらです。
【SOUND FEEL'd X #13 EAST】
日程:2026年5月23日(土)
会場:池袋東口ゲキパ
OPEN:16:00
START:16:20
料金:¥2,000 + 1D(¥500)
出演:
ALBA/TOROS
岡崎瞬
VoOlO
翔太郎
Seal
タカ♪♪♪
武政美久
Ryou.
この日も、出演者それぞれの新しい音楽がCDになります。
サブスクで聴く音楽もいい。
でも、ライブの日に手渡しで受け取る音楽には、
また違う温度があります。
広く届く音楽。
深く残る音楽。
その両方を大切にした一日を、
ぜひ会場で体感してください。
以上。
少し宣伝🤏
Oshinのソロアルバムが配信でリリースされました。
リンク🔗
こちらの作品は急遽半ば強引に
僕が進めた企画というのもあって
CDリリースは考えていませんでしたが
『手元に残したい!』
と言う声が1つでもありましたら
CD生産に動こうかと思います。



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